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令和4年度桜修館過去問 適性検査I問題分析

  令和4年度桜修館過去問 適性検査I問題分析 

桜修館受検生のみなさん、こんにちは。
桜修館セミナー 講師の山田です。

今日は、令和4年度桜修館適性検査Iの問題分析をします。

適性I全体として

文章A、Bともに、生物学者の本川達雄『生物学的文明論』から。

本川達雄といえば、『ゾウの時間 ネズミの時間』の話で有名ですね。
ゾウとネズミの時間の時間は違う、と。

今までの桜修館の適性Ⅰは毎年、”教養”や”知性”など難解なテーマを理解し、自分の力で再構築し、記述しなければなりませんでした。

聞いたことはあれど、なかなか日常会話で受検生が自分から使うことはほぼない単語でしょう。

対して、今回は学校で何度も触れているSDGsです。

文章A、Bの共通のテーマを読み取るという点ではキーワードがはっきりしていて、比較的やさしかったのではないでしょうか。

都立三鷹や都立小石川、横浜南・サイエンスフロンティア等、多くの学校が取り上げているSDGs関連のテーマです。

とはいえ、ここでは学校の授業で習う範囲の考え方は求められていません。

受検生自身の行動や思考を深め、それを答案に残せるかが問われています。
一つのテーマを限界まで深く考える、思考の潜水力が試されています。

問題1 分析

問題1、筆者の考える「相利共生」とはどのようなことか。

“ 筆者の考える 〟が重要ポイントです。
辞書に書いてある、相利共生のそのままの意味が問われているわけではありません。筆者がどんな意味で相利共生と言っているのか、その具体例を通じて、深く考えることが重要です。
辞書に載っているような、文字通りのそのままの相利共生の意味を問われているのではありません。
”本文で挙げられている具体例を用いて”、とあるので、クマノミとイソギンチャクの関係に必ずふれましょう。

問題2 分析

問題2、「生物多様性」が大切です。なぜだと筆者は考えているか。

これも問題1と同じです。
文章の説明だけでなく、筆者の考えまで読み取れるよう深く深く考えましょう。
平成29年より前はいきなり字数の多い記述問題が出ていましたが、平成30年以降は解答しやすいようにヒントとして問1、問2が置かれています。
これらをスムーズに解答して、問題3に時間を回しましょう。

令和3年度までは「問1・2は1マス目から書きなさい」という指示がありましたが、今年はありませんでした。また、問題1・2の合計文字数は、いつもと大きく変わりません。
ただし、問題1・問題2ともに、ここ数年問い方を変えているので、条件は必ず確認しましょう。

そして、何より問題構成が南多摩に似てきました。南多摩の適性Iでは令和3年・令和4年と2年連続で、”無駄”や”哲学”といったひとつの話題を、異なる2つの角度からまとめた文章を出題しています。また、立川国際の令和3年度適性Iでは”遺伝的多様性”について、雑草を例に議論されており、テーマが少しかぶっています。

桜修館過去問による対策とは別に、哲学的な話題に触れている他の都立中の過去問での対策も有効です。

問題3 分析

問題3、「筆者はどのようなことを言おうとしているとあなたは考えますか。また、そのことをふまえて、私たち人間が生態系の中でどのように生きていくべきだと考えるか。」

さていよいよ本題です。字数も400字以上500字以内と長いです。
この問題が、合否を分けます。

昨年以前との違いとして、ついに、段落ごとの内容指定がありました。
平成28年以前の桜修館の問題は、文章、絵、図を見て、600字以内で自由に書く問題が一問あるだけでした。このような形式は他の都立中高一貫校でも類を見ない出題形式でした。
しかし、数年前、学習塾対象の方針説明会で、きちんと論理的に書ける受検生とそうでない受検生の差が激しく、正直、0点が続出しており困ったので、やむなく方針転換して小問のある形式にした、と校長先生から説明がありました。

適性IIとの配点比率を考えると、適性Iが0点では検査に支障があることは確実です。
今後ますます、他の都立校で出題されているような、小問+大問の形式になっていくでしょう。
内容面だけではなく形式面からも、直近3年分の他の都立中学の適性Iを解くべきでしょう。

問題3のポイントは、筆者がどのようなことを言おうとしているかを見抜けるかどうか。
これも要約とは違うので要注意。

そして、「筆者が言おうとしていること」とは何か。
それは、たとえはっきり書かれていなくても、この文章を通して筆者が私たちに伝えたいことです。

また、「あなたは」という視点で求められているため、「筆者はこういうことが言いたいんじゃないかな」と自分目線で、筆者の言葉を噛み砕き、読み砕き、納得したうえで説明しなければいけません。
文章Aと文章Bは、どのように関係してくるのか。
そして、問題1と問題2はどのように問題3に使えばいいのか。
頭をフル稼働する時間です。

問題3には体験を入れた方がよい?

なお、最重要ポイント、問題3で体験を入れるかどうかについてです。
一見、問題文を読む限り、体験を入れなさいという指示はありません。
しかし、令和4年度適性問題解説会では桜修館側から、

「文字数が多いので、本文の内容だけから内容を500文字に到達させることは難しい。
そこで、問題3の後半部分には体験を入れることが望ましい。」
とはっきり指示がありました。

“令和4年度適性問題解説会” は、文字通り今年の解説をするだけの会ではありません。
令和5年度受検生に向けた学校からのメッセージと考えられます。
ですので、令和5年度受検生は必ず体験を入れましょう。

同時に、学習面だけではなく、小学校の日頃の生活を大事にするようにともアナウンスがありました。
運動会などの行事や、委員会活動も大切にしてほしいとのことです。
更に、新聞や本など、最初から生物多様性の議論を知っているほど有利になるとも述べていました。

桜修館受検生は、学校生活における体験を通じて、生態系の保全や生物多様性の重要さをまとめることが求められてます。
身近なところで実行できるSDGsに日々注目しましょう。
学校生活を通じて大切なことは、学んだことを必ずアウトプットすることです。インプットだけでは不十分です。

保護者や友人に、自分の言葉で意見を伝えることです。

これこそ適性検査対策の一番の秘訣です。

SDGsの流れに乗りつつ、なおかつ例年のように哲学的な話題にも触れており、何とも桜修館らしい問題ではないでしょうか。

さぁ、しっかり対策を行い、
桜修館中等受験合格を勝ち取ろう!


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