桜 修 館 受 験 対 策 セ ミ ナ ー

第10回 桜修館受検対策  併願校選定 〜 2つの願い 〜

  第10回 桜修館受検対策  〜 

桜修館受検生のみなさん、こんにちは。

受験計画が合否の鍵を握っています。

皆さんは、桜修館の受検のみでしょうか。

それとも、桜修館と私立中学の併願を考えてますか?

桜修館受検を第一志望として考えた当初から私立受験も考えていたのではなく、さまざまな事情で急に私立との併願を考えはじめたのなら、メリット・デメリットを把握しておくことが大事です。

 併願校受験 メリット・デメリット

メリットは、もし・・・桜修館が不合格であった場合でも、私立受験に合格できるチャンスがあることです。

デメリットは、私立対策に時間を割いたために桜修館対策が間に合わなくなってしまうというリスクを負うことです。
なぜなら桜修館は判断力・読解力が問われますが、私立対策は事前の知識や解き方の暗記中心だからです。

ここで併願校を決めるとき、候補の絞り方は二つあります。

中学受験が一校も受からないことを避けるため、滑り止め校として併願する。 

桜修館受検がダメだった時、桜修館と同レベルの学校に進学するために併願する。

後者の場合、偏差値で選ぶことが多いかと思いますが、多くのご家庭が偏差値というものに縛られています。

これは、その私立中学に通いたいからではなく、

「桜修館と同レベルの、偏差値65前後の私立を併願したい」という、

“ 偏差値の呪い ” です。 

※ 本記事の偏差値は全て首都圏模試基準としました。

子どもの成長には無限の可能性があります。

でも、残り半年で適性検査対策も不十分なのに今から私立対策を始めて偏差値60以上の私立を併願することはリスクがあります。

桜修館セミナーでも、短期間で偏差値を30以上上げたことが何度もありますが、一般的には困難なことでしょう。

過酷な課題管理が必要になり、受検生に相当の負担がかかり、受験計画の破綻につながることもあります。

桜修館の学校のレベルは、そもそも偏差値で測ることができません。

レベルは偏差値で測れませんが、目安としては必要でしょう。

「6年夏まで適性検査対策に力を入れていて、私立対策はしていないが、どうしても、それなりの偏差値の私立と併願したい。」

今回は、リスクをふまえた上で併願をご検討のご家庭向けに、どういった併願プランが可能か、整理していきます。

桜修館の併願校 どんな受験科目があるか

最初に私立の受験科目を確認しましょう。

①適性検査型受検

②算国理社で4科目

③算数+国語の2科目

④特化型受験一科目

③④は得意な科目のみで受験でき、勉強量が膨らむのを抑えることができます。

適性検査型私立中学との併願

近年、適性検査型の入試科目を実施する私立中学が急増しています。

これは、大学入試センター試験(共通テスト)に思考力を問う問題が取り入れられたことと大きく関係しています。

今後も適性検査型の私立は増加するでしょう。

適性検査型の中学であれば、桜修館の対策と並行して対策がしやすいです。

ただし、私立中学の適性検査と公立中高一貫校の適性検査の難易度には大きな差があります。

桜修館は、将来、日本のリーダーになるような人材を育てることを目標としています。

可能な限りその目的に合う子どもたちを集めるために行われるのが適性検査です。

そのため、問題作成にとてもこだわっています。

先生方が納得のいくまで、何度も問題を作り直ししているとも言われています。

一方、最近適性検査型入試をはじめた私立中学の多くは、数年前のセンター試験の傾向変化に合わせてコースを開設したり、公立中高一貫校の併願先に選んでほしくて適性検査型を設けたりしています。

適性検査型入試を突破した生徒をどう育てるか、プランが曖昧な学校もあります。

中には適性検査という名前をつけておきながら、中身は特殊算や理社の知識問題という残念な中学校もあります。

このような状況で、ごく少ししかない、問題の質が高い私立中学を併願できれば、桜修館に向けて最高の調整になります。

適性検査型との併願は、桜修館入試当日に120%の力を出す秘策のひとつです。

桜修館におすすめの併願校5選

【①私立型:三田国際学園中学(偏差値71)】

【学校の特徴】

三田国際中学は偏差値40台から急上昇し、2023年度にはついに偏差値70の大台に突入しました。

豊富な実験設備や全科目を英語で授業し海外大学を視野に入れるなど、

他の中学の追随を許さない姿勢が多くのご家庭から評価され続けています。

【入試問題の特徴】

三田国際では4教科のそれぞれに、一部で適性検査を取り入れています。

つまり、三田国際に受かるには、4教科の対策に加えて適性検査対策も必要となります。

4教科のみの受験生にとっては、適性検査対策は敬遠され、後回しにされがちです。

この適性検査の部分で、桜修館受検生であれば有利に戦えるでしょう。

【②私立型:青稜中学(偏差値68)】

【学校の特徴】

青稜中学は関心をもった受験生と保護者への丁寧な対応で徐々に偏差値が上昇していましたが、

コロナ禍での柔軟な入試対応で人気に拍車がかかりました。

【入試問題の特徴】

国語以外の3教科でも読解力が試される点が特徴的です。

理科であれば、誰も見たことのないオリジナルの実験器具が出題されます。

算数であれば、ちょっとした言葉の違いから、典型的な特殊算から少しずれた問題となることが多いです。

これらはよく読めばわかるのですが、パターン学習に力を入れた私立型の受験生のなかには「よく読む」ことが苦手な受験生も多いです。

桜修館の適性検査対策で鍛えた読解力を活かして、問題文をよく読んで理解することで有利に戦えるでしょう。

【③私立型:世田谷学園中学・巣鴨中学・攻玉社中学(偏差値65以上)】

世田谷学園・巣鴨・攻玉社など、伝統ある準御三家級の一部には、算数1教科選抜試験があります。

もちろん同じ学校の4教科受験の算数よりも問題が難しく、しかも算数に自信のある受験生が集中します。

しかし、1教科しか勉強しなくて済むので、4教科受験よりも適性検査との併願がしやすいです。

これらの学校に興味があり、算数が得意科目なら狙ってみてください。

【④適性型:宝仙学園中学(偏差値60)】

【学校の特徴】

宝仙学園は2012年から適性検査型入試を開催しており、10年以上の出題歴があります。

宝仙学園は ” 理数インター “ をはじめとする独特な教育方針を持っており、桜修館とは違った良さがあります。

近年は大学受験の合格実績が急上昇しており、高校からの入学が中学よりも難しくなっています。

今のうちから抑えておきたい学校のひとつです。

【入試問題の特徴】

10年以上出題しているだけあって、問題の質が安定しています。

ほかの公立中高一貫校の過去問をよく分析しており、雰囲気を変えないように丁寧に類題化しています。
ですので、桜修館直前の、銀本の習熟度の最終確認にも適しています。
(銀本の使い方に関しては「銀本の使い方」)

※今年は桜修館でよく出るN進法が出題されました。
(N進法に関しては「N進法(2進法)とバーコード」)

【⑤適性型:安田学園中学:先進特待(偏差値65)】

【学校の特徴】

安田学園中学も、2013年から適性検査型受験である先進特待コースを開設し、10年の出題歴があります。

2023年から先進コースのみ募集となり、すでに偏差値が急上昇しています。

2023中学受験、要注目の1校といえます。

今でこそ新学習指導要領で浸透してきたアクティブ・ラーニングを、

安田学園では2013年当時からいちはやく導入し、「なぜ」を追求する姿勢が全学に浸透しています。

この動きは私立ではかなり早いほうで、入学後も適性検査対策で学んだことが活かせるカリキュラムです。

【受験日の特徴】

安田学園を併願する最大のメリットは、2月1日、2月2日、2月4日の3回も適性検査型入試がある点です。

この日程により、2月3日に向けて調子を整えるための ” 前受け ” 受検だけでなく、

万一、桜修館当日に万全の力が出せなかった時の保険となる ” 後受け ” の受検としても使えます。

 まとめ

今回は、桜修館の併願校についてまとめました。

私立中学同士の併願と比べ、公立中高一貫校は併願校がなかなかに限られます。

偏差値や学校名だけで選ぶと、なかなかに厳しい戦いになります。

しかし、全く併願が不可能なわけではありません。

いばらの道だといって簡単に諦めず、自分の学習状況に合った併願プランを考えましょう。

>> 次回は

さぁ、しっかり対策を行い、
桜修館中等受験合格を勝ち取ろう!


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