桜 修 館 受 験 対 策 セ ミ ナ ー

第8回 桜修館受検対策 
合否の分かれた受検体験記 Ⅱ
〜 n o n – f i c t i o n Ⅱ 〜

  第8回 桜修館受検対策 合否の分かれた受検 体験記 Ⅱ 
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10年以上、桜修館受検生を何人も何人も送り出してきました。
一緒に勉強した生徒のことは、どの子も忘れられません。

第6回に引き続いて、実際の受検生のエピソード第2弾。

反響が多かったので、追加でさらに何人かのエピソードを紹介いたします。

今回も、実際の合格した子、惜しくも不合格の子のエピソードから、
合否の分かれ目について考えてみましょう。

① 合否を分けた判断力II     I 君

I 君は、受検前に、桜修館セミナーの動画を何十回も観てくれていました。

受検当日、I 君は適性検査IIを解き始め、すぐに異変を感じました。

算数の問題1に、英語とプログラミングが合体した難問をみつけました。

どう解いたらいいか、解答方針に自信が持てませんでした。

そして、何度も観た動画、「 ⑧ 合否を分ける判断力 」のHさんのエピソードを思い出しました。

第6回 桜修館 受検対策 受検体験記 〜 n o n – f i c t i o n 〜 
Hさんは、思い切って適性検査IIの算数分野200点分をを全て捨て、社会分野・理科分野だけを解いて合格した話です。

I 君もHさんと同じように、算数分野をまるごと捨て、社会分野と理科分野で得点を取ろうと大胆に作戦変更しました。

結果は無事合格ッ!

合格決定後、合格体験記で知った作戦を実行したことが勝因と語ってくれたI 君。

しかし、算数分野を捨てて合格した先輩がいることは知っていても、実際に捨てると決断するのはかなり勇気が必要だったそうです。

事前にどうすればいいか、いくつかの方法を知っていて、かつ、試験当日の状況を見ながら適切な判断をその中から選ぶ。
これぞまさに ” 適性 ” があるかどうかの分かれ道でしょう。

ただし、何度も言いますが、これは「 桜修館の大問が難しかったら捨てて構わない 」という意味ではありません。状況に応じて、その場にあった判断をしてください。

先輩たちの体験記から、どうすれば合格するのか、どういう考え方なら合格できるのか、しっかり把握しましょう。

② 誘惑との戦い    J君

J君はサッカーが大好きで、帰宅するとどうしてもサッカーの動画を見てしまい時間が経ってしまう。
また友達が多く、LINEで毎日大量のやりとりをして時間が取られてしまってた。

どうしても桜修館に進学したい!
このままではいけない!と思ったJ君。
YouTubeもLINEもアプリごと消し、勉強に集中しようとした。
しかし、1週間もしないうちに、いつの間にか再インストールしてしまってる。

彼は悩みに悩み、その件で何度も面談をしました。
そして6年生の9月、ついに彼はある決断をしました。

それは、受検終了までスマホを塾内に封印することです。

桜修館セミナーは、お母様の許可をいただいき、J君の決断を尊重することにしました。

私は本人に封印を理解させるため、スマホを布でぐるぐる巻きにして、上からガムテープで厳重に固めて使用できないようにしました。

封印してはじめのうちはLINEを返したくて、またyoutube を見たくてそわそわして勉強に集中できませんでした。

スマホを預けたのは間違いだった、封印を解除してほしいとお願いに来たこともありました。
麻薬の如き、中毒性!

しかし、10月に入ると徐々にスマホのない生活が普通となり、
それらに気を取られることなく、意識が勉強に集中し、モチベーションが高まっていきました。

そして受検直前には逆にスマホがないのが当たり前になり、スマホに夢中な同級生をごぼう抜き、見事合格を勝ち取りました。

勉強に関するモチベーションのムラは、誰にでもあるものです。
大切なことは、モチベーションが下がったときにいかに上げるか、
そして、モチベーションが高まったときにいかに下げずにいられるか、
工夫し続けることではないでしょうか。

③ 桜修館卒の家庭教師     Kさん

Kさんは3年生の時から通ってくれており、小さい頃は毎日のように塾に通ってくれていました。

6年生になり、家庭教師と通塾を併用したいので通塾日を減らしたいとの申し出がありました。

大学に通っている知り合いの桜修館卒業生を家庭教師として家に呼び、教えてもらうことにしたというのです。

Kさんは最初、憧れの桜修館の卒業生が家庭教師をしてくれるということで、非常にモチベーション高く勉強していました。

が、10月ころからやる気が急降下し、そのまま受検を迎えてしまいました。

原因は、家庭教師をしてくれた桜修館の卒業生が、最近の桜修館の過去問を解けなかったことを目の当たりにしたことでした。
その卒業生のひとことが深く胸にささったそうです。

「だって、最近の桜修館は問題が難しいんだもの。」

桜修館に実際に合格した卒業生でさえ解けない難問奇問を、とうてい自分に解けるわけがないと、塞ぎこんでしまいました。

桜修館の卒業生は、他の大学生と比較して、確かに適性検査を解く力が多少高いのかもしれません。

しかし、その卒業生が桜修館の問題のなかに歯が立たないものがあったとしても、これは仕方のないことです。

なぜなら桜修館の卒業生という肩書きは、自分の年度にしっかり対策をして、自分の受検年度「のみ」受かる力があること、しか意味しないからです。

それ以上でも、以下でもありません。

どの年度に受けても、いつ解いても、全て合格点を出すことができる、

そんなに受検は甘くありません。まして、教え方の上手さとなると、何の保障もありません。

数年経てば傾向は変わります。昔の過去問をやること自体に、知識的な意味は全くないでしょう。

ではなぜ過去問を解くのか。

それは、過去の傾向変化をつかみ、来年度以降の変化を予想するためです。

④ 情報を制する者が受検を制す!     Lさん

Lさんは4年生の頃から本気で桜修館に行きたいと考えて通塾してくれていて、
5年生のときには公立中高一貫校模試でも好成績を取っていました。

テキストの進み具合もとても良く、純風満帆でした。
( 動画的には危険信号のフラグ… )

ところが、6年生になり、授業日以外はあまり自習に来なくなってしまったL君。

同学年の新入塾生がどんどん入塾してきて、猛烈な勢いで抜かれていきます。

心配になって、どうしたのかきいてみました。

Lさん曰く、桜修館は内申点が重要なので、運動会の応援団長と代表委員会の委員長を掛け持ちし、
さらにクラブ活動でも部長を務め、書道の学外コンクールへの出展も狙っているとのことでした。

実は、桜修館の報告書で評価される項目は、通知表のうち、英語や算数など9教科の成績だけです。

クラスや活動の代表をしたかどうかは点数の対象ではありません。

私は、当然その答えに対し、報告書の点数を伸ばしたいのであれば努力の方向性が全く間違っているとアドバイスしました。

しかし、本人も保護者もこれらの活動が報告書の点数になると信じ、精力的に学校活動に関わりました。
結果は・・・・

桜修館は報告書のフォーマットを公開しています。

http://www.oshukanchuto-e.metro.tokyo.jp/site/zen/page_0000000_00131.html
このフォーマットによると、確かに代表委員や応援団長を評価する項目はありません。
情報のでどころは非常に重要で、情報の根拠を確認する習慣が必要です。
受検する前から、情報戦という名の戦いがはじまっているということを、常に意識してください。

⑤ 決断の時     Mさん

水泳が大好きだったMさん。

塾に来ても毎日のように、最近の水泳の話をします。

適性検査をしはじめのころは、桜修館受検もはるか先のことと思い、日々楽しく過ごしていたMさん。

転機があったのは新6年生になった直後でした。
どんどん新しい塾生が入塾してきて、成績面で抜かれ始めている。
このまま水泳と受検を両立していけるのだろうか・・・。
もちろん、水泳を辞めれば勉強時間を確保できる。練習試合で疲れて寝てしまうこともない。

しかし、地元チームの選抜が6年の10月にある。これが終わり、選抜チームに選ばれてから受検に専念しても遅くはないのではないか・・・

何度か面談しましたが、どっちつかずのまま数ヶ月が経ちました。
しかし、5月のある日、本人から、今日で水泳を辞めてきた、と宣言がありました。

水泳をしたい気持ちもあり、未練はある。
幼稚園のころからずっと続けてきた。

しかし、もう決断する時間だと思い、監督に伝えてきたようです。

その代わり、その未練を断ち切れるよう、水泳のことを思い出す間もないほど、授業のない日も毎日塾に来てずっと机にかじりついて勉強し、最近入って来た子たちを抜き返したい、とのことでした。

親に言われたからとか、先生に言われたからとか、他人のせいにするのは簡単です。

しかし、大切な決断を自分の手で下した受検生と、周囲の言いなりになった受検生、どちらが成果が出るのか、考えるまでもなく明らかです。

ちゃんと桜修館に合格してから水泳をやり直す、という強い意志のもとにその後受検まで、Mさんは水泳の話を一切しませんでした。

Mさんのみならず、スポーツと勉強の両立に悩んでいる受検生は非常に多いです。

人生には、その時々で優先順位があります。
受検生にとっての優先順位は何でしょうか。

⑥ ドラえもん     N君

何人かの6年生で桜修館の作文対策の授業していた時のこと。

わかりにくい説明文があったので、例え話として、これは『ドラえもんでいうところのどこでもドアですね』と伝えると、他の受検生は納得していましたが、N君だけはピンとこないようでした。

よくよく話を聞いてみると、彼はそもそもドラえもんを知らなかったのです。

お父さんがアニメは教育上よくないから、見てはだめと言われてN君は育てられました。

確かに、深夜アニメの見過ぎで睡眠不足になってしまうのは受検生として論外です。
しかし、桜修館はいかに常識的な答えを知っているかで合否が分かれます。

教材としてドラえもんが優れているかどうかはともかく、ほとんどの受検生が常識的に知っていることに抜けがあると、桜修館合格は難しいです。

常識という話を始めると難しいところではありますが、もしそうした方針をご家庭で設けているなら、合格のために今一度見直したほうが良いでしょう。

⑦ 伝説の難問を追い求めて     O君

O君が桜修館を目指し始めたのは2年生のころ。
受検勉強は順調に進んでいるかに見えましたが、本人はある課題を感じていました。

それは、桜修館の昔の過去問が難しすぎることです。

確かに、大昔の、初期のころの桜修館の問題は、算数分野を中心に難問・奇問のオンパレードです。
現在の公立中高一貫校の受検生が見たら目玉が飛び出るでしょう。

中には難しすぎて全受験生のうち2人しか解けなかったなどと言われている伝説の問題もあります。
(もはや試験問題としての意味をなしていません・・・)

ただし、それはあくまでこの業界で語り継がれる、昔の話。

現在の桜修館は、条件整理や円の面積など、難しい算数の知識よりも、よく読んで解くことができるような問題に、重点をおいています。
しかし、ぶっ飛んだ過去問をどうしても理解しようとしたOさん。
手にしたのは、四谷大塚の ” 予習シリーズ(算数) ” でした。

予習シリーズは私立中学受験必須のバイブルです。
私立受験生であれば必ず解けてほしい分野が一通りまとまっていて、
かつ、他塾のオリジナル教材と比べても分量がコンパクトなことから、
知名度が高い上、親子ともに愛用者の多いテキストです。

しかし、桜修館の算数分野を対応するにあたって、現状、そこまで私立算数対策に特化する必要は一切ありません。

たとえば流水算やいもづる算といった難しい分野を理解するには相当の時間がかかりますが、過去の桜修館には一度も出ていません。
条件整理など、一部重複する箇所もあり全く役に立たないわけではないですが、4年上から順番に頭から全ての分野を理解する必要があるとは到底いえません。

もし、予習シリーズ算数を全て解く時間があるのなら、最近追加された、算数のことがらを記述で説明するタイプの問題や、プログラミング能力をはかる問題に時間を割いたほうが効率が良さそうです。

しかし、O君は予習シリーズが完璧になるまで特訓するといって、勝手に予習シリーズに夢中になっていきました。
O君は私立中学を受けませんので、非効率的だと制止しました。

しかし、ご家庭も、予習シリーズを解いてこそ中学受験だと最終的には、通塾日を減らしてまで、家庭内で予習シリーズ6年上の難問を解く特訓をしました。

その分、文章の要約練習や資料から記述をまとめる練習時間は削りました。

受検後、6年上の練習問題まで極めているおかげで、難しい算数の問題をひとつ解けたと嬉しそうな笑顔でした。

しかし、残念ながら結果は不合格でした。

⑧ 型はめ作文     P君

P君は作文がとても苦手でした。

文章を書くことがそもそも苦手で、自分の頭で考えるのもとても苦手。

ただ、桜修館へ行きたいという強い思いは人一倍ありました。

しっかりと適性検査対策、作文対策を行い、徐々に成績も上がって来ました。

ところが、日々の課題提出を通じて、P君の作文に異変を感じました。

序論・本論・結論のうち、本論部分をすでに作っておいて、序論と結論だけを文章によって変え、同じエピソードを使いまわすということです。

当たり前ですが、いくら最初と最後を入れ替えても、本論が同じなら同じ主張になってしまいます。

一方、桜修館作文の出題は毎年異なるので、ずっと同じ主張をし続けることには無理があります。しかもP君の用意した本論は、学校生活を通じての「思いやり」や「リーダーシップ」を感じることができた、という薄っぺらいもの。

これでは模試で高得点を取ることができても、受検当日に高評価を受けることはできません。
桜修館の先生はプロです。その場で考えた内容なのか、あらかじめ用意した内容なのか、ひと目でわかります。

実は、毎年開催さされる桜修館の適性問題等解説会で、桜修館側も嘆いています。

「こちらがどんなに工夫してお題を出しても、あらかじめ用意した、型にはまったエピソードで返してくる。こちら側も、そういう受検生を合格させるわけにはいかない。」と。

桜修館を本気で目指すなら、 ” 型はめ作文 ” にならないよう、十分に気をつけましょう。

まとめ

今回も、さまざまなエピソードを紹介しました。

大切なことは、合格できなかった受検生も、合格したくてそうした行動をとっていた、ということです。

どのエピソードも、先生たちがこの目でみた、真実のエピソードです。

みなさんの受検は1回しかないからこそ、
これまでの受検生の体験を参考にしてください。
この体験記を見て合否を分けた受検生もいるようですので。

先輩たちの体験を通じて、自分はどんな桜修館受検にするのか、今一度考えてみましょう。

>> 次回は合格する受検生の特徴とは?

さぁ、しっかり対策を行い、
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